二十世紀の終わりになると、私たちは「近代」的なものに急速に厭きてきたような気がする。市場原理の中で働き、消費者として暮らすことにも、競争と対立の中に身を置きつづけることに対しても、国民国家に飲みこまれながら生きることにも。それとともに、科学や技術の進歩、開発、発展、人間の理性・知性、合理的な認識と判断・・・・といった、近代的世界で輝きをみせたあらゆる言葉が色あせてみえるようになった。
内山 節
このような世界で手ごたえのある幸福感を得るために、人は「ローカルであること」を見直す必要があると内山先生は述べます。ローカルとは自分たちが還っていく場所、還っていきたい場所、あるいは自分の存在の確かさがみつけられる場所であり、先生はそれを里と呼んでいます。
TANNUKIはこの内山先生の哲学に反応し、里にすむ特徴的な動物であるタヌキの名前をブランド名としました。
ローカルであることにこだわりを持ち、素材や縫製工場はもちろん、その他の部材も可能な限り日本国内で生産されたものを材料としてウェアの開発を行っていきます。
短期間で使い捨てられてしまう消耗品ではなく、そのモノ自体が物語をつむいでいくような、そんな製品になれるべく開発を行っていきたいと思っています。
このウェアを着用し続けることで、特別な愛情を持ってもらい、そのことで安心を得られる存在になるべく開発を行っていきたいと思っています。
地域、コミュニティ、自然と結ばれた暮らし、新しい共同体、これからの人間同士の関係、さまざまな文化、地域主権、参加、ボランタリーな活動。今日私たちが、これからの私たちの暮らしの指針として用いている言葉は、どれもが小さな世界を基盤にするものばかりである。
内山先生はこれからの方向性についてこのようにも述べています。TANNUKIも「この小さな世界」を支えるような、その中で物語を共につむぎだすような存在になるべく、ものづくりを行っていきたいと考えています。
物語をつむぎだすには、
丁寧に誠実につくること
顔が見える人とつくること
使ってくれる人のことをなるべく知ること
作っている場所の背景をよく知ること
これらのことが大切だと考えます。
この価値観を常に意識するよう心がけながらこれらかもTANNUKIは製品開発を行っていきます。