今回も、共にランニングをする、走ってからディスカッションをする、というプロセスでゆっくりと企画を進め、ランニングに対応する機能性とファッション要素が融合された製品を作り上げました。

企画の第一段階としては、文化服装学院内でランニングを通じ、学内・学外の方々と交流を目的に設立された『BunkaRunningClub』のメンバーの学生の皆さんに、ランニングというスポーツ/カルチャーを実際にグループランニングなどの形で体験してもらいその奥深さを理解してもらいました。学生時代に強制的に走らされた、などの苦しいランニングではない、美しく楽しいランニングを知ってもらえるよう努めました。

第二段階として、学生の皆さんが持ち合わせている感性の部分や、学んでいるファッション要素を加えたランニングウェアの開発をTANNUKIの企画チームと共に行いました。

製品コンセプトは「Vintage Tech」です。Gジャンのヴィンテージアイテムをインスピレーションの元とし、テクニカル要素を加えることでランニングウェアとして作り上げています。試作品を実際のトレイルランニングレースでもテストし、例えばランニングザックと干渉しにくい位置にポケットを配置し直すなどの調整を行いました。

程よいフィット感と短めの丈を組み合わせています。フロントのステッチとひだ状の仕様がデザインのポイントとなっています。上からもサイドからも手を入れることができる大きめのポケットが左右に配置されています。フロントはスナップ仕様で開け閉めすることでベンチレーションとして機能します。襟先にもスナップが付いており、襟をたてた状態でのおさまりを良くしています。バックサイドにはタックを付け、可動域を広げ、また形状によってはランニングザックの上からでも羽織ることが出来るようになっています。

素材は、らせん状の構造を持つ分子をベースとするポリエステルで作られており、ストレッチ性と軽量性の両立が実現された素材となっています。見た目の重厚感とは逆に軽い実重量となっています。この他にポリエステルが本来持つ特徴である、取り扱いのしやすさや速乾性も併せ持ちます。更には、水を弾く撥水性とUVプロテクション機能も付加されています。

また多機能素材にもかかわらず、ナチュラルな雰囲気の風合いも特徴の一つです。

ファッションと機能が融合した、これまでにないデザインのランニングジャケットが出来上がりました。