感覚と知性と共に。
楽しんで生きる、走る。
吉田 麻衣子(マイマイ)さん
吉田さんの佇まい、空気感、とても素敵です。
自分の感覚を大事して、軽やかに物事を決めて進んでいく。でもどこかでは自分を客観的に見る知性を兼ね備える。
吉田さんが今よりも若い時、年上の先輩たちのスタイルに憧れを持ち、早く自分も年齢を重ねたいと思った、と話してくれました。今の吉田さんは周りの世代から憧れを持って接せられる存在になっているのではと思います。
全部を楽しむと話してくれて、そして実際に全部を楽しんでいる風に感じられる。その気持ちのよい、ポジティブな雰囲気にとても惹かれます。
そんな吉田さんの生き方やランニングとの関わり合い方、話してくれました。
これまでのこと。
ランニングとの出会い。
吉田さんは、子供の頃から好奇心旺盛でチャレンジする性格。家族でスキーに行っても、「一人でどんどんギューッと進んじゃう。」みたいな子供だったとのこと。
小中高ではバスケットボールを続け、大学では家族の影響を受けて法学部に進みます。
大学で、勉強のほかに取り組んでいたのが、ベーシストとして参加していたバンド活動です。法学を学ぶ女子大生がバンド活動をする、そういうある種のギャップを自身でも楽しんでいたとのことでした。
大学卒業後、大手のセレクトショップに就職します。ファッションや服が好きという部分と、接客が苦手ではないという部分を掛け合わせて。でもファッション系の企業にたくさん応募するというのではなく、学生の時にお店に通っていて、店員さんが素敵だと感じていた自分の感覚も大事にして、ファッション関係としては1社だけ応募していた同社に入社しました。
ところで、吉田さんの接客のポイントを聞いたところ、こんな風に答えてくれました。「隔たりなく人と接することができる。」、「見た目や職業などの情報からの先入観を持たない。」こういった部分を大事にしているとのこと。これらはもともとの気質に加えて、法律もやって、バンド活動もやって、いろいろな人を見てきて身についた部分でもあるのでは、と分析してくれました。
入社して2年目にスポーツファッション事業部が立ち上がり、誘いを受けてその事業部に移ります。ここの活動でランニングと出会います。携わるブランドがランニングのイベントを開催するようになり、イベントに参加する形で自然と自分自身も走るようになったとのことでした。
「本当に運命だったと思います。そこでランニングとも出会ったのは。」
ランニングとの関わり合い方
吉田さんは、最初の職場でランニングに出会い、それから今に至るまでずっと走り続けています。
後に、セレクトショップを退社することになるのですが、これもよりスポーツに近い仕事に携わっていきたいと考えてのことです。ランニングを続けていく中で、トライアスロンにチームとして挑戦することがありました。仲間と挑戦する過程において、スポーツの素晴らしさに改めて気づき、仕事として関わっていくという決断につながります。
フリーランスとして独立、スポーツモデルの仕事や、スポーツアパレルのディレクションなど、スポーツに関連する仕事を新たな立場で受けていくことになります。
想いをこんな風に話してくれました。「ランニングから得られる前向きなマインドを、一人でも多くの人と共感し合いたいと思い、活動してきました。」
「スポーツを通して出会う方々は気持ちのいいひとばかり。そして、関わりあう中でお互いにいい影響を与えあえることが一番素晴らしいと感じます。」
ランニングとの付き合い方について、当初はフルマラソンでのサブ4を目指していた時期もありましたが、それを達成してからは、ライフスタイルにランニングを取り込む形で走り続けています。
「私の中で、ランニングはライフスタイルの一つで、マインドリセットの意味が一番大きいです。気持ちがスッキリし、前向きで朗らかになる。そんな状態の自分が好きなので、ランニングを継続しています。」
一方で、自分自身に対してストイックになる性格とのこと。少しのつもりで走り始めても自分を追い込んで結局長い距離を走ってしまうこともよくあるんです、と話してくれました。
これからのこと。
吉田さんの現在のフォーカスは、2021年初めに生まれた第1子の子育てです。子供と接することの楽しさについても嬉しそうに話してくれました。吉田さんの場合は子育てをしながらでも身体を動かして楽しむように自分を仕向けます。子供を抱えながら腹筋を鍛えたり、子供が寝ている隣でヨガを行ったり。また、ランニングについても少しずつ少しずつ走り続けているとのことでした。
また、身体についての興味から、以前より気になっていた栄養学についても勉強中です。
将来的に取り組んでみたいことを聞いてみたところ、やはりこれからもランニングやスポーツを通じて人と関わっていきたい、と話してくれました。「私自身、ランニングを通じて人と出会ってきましたし、友人たちとのコミュニケーションの一部になっています。」
吉田さんのことはSNSやメディアなどで認識していまして、文系的、アンダーグラウンド的、そしてスポーツを愛する、こういう部分を併せ持つランナー、そんな存在はなかなかいなくて、とてもユニークな存在だと思っていました。それで、ぜひTANNUKIのモデルとして走ってもらいたいと着用モデルのお願いをしました。
今回、改めてお話してみて、様々な要素を軽やかに身につけてこられた様子がよくわかりました。
バンドのベース担当で、法律学部で刑法を学んで、フルマラソンではサブ4を達成する。先入観を持たずに人と接して周りの人が味方になる。
本当に素敵な人です、吉田さん。
Profile
吉田 麻衣子(マイマイ)さん
大手セレクトショップに在籍後、独立。 スポーツモデルとしてメディアの出演やランニングイベントの開催などを行う。 同時にファッション関係の仕事にも携わることが多く、現在はCharcoal TOKYOでも働く。 今年の初めに第一子を出産し、現在は育児に邁進。