仲間と共に世代を牽引する。
トレイルランナー染谷英輝さん
染谷さんは、一見すると反対の意味を持つような様々な要素を併せ持つ人です。豪胆であり、繊細である。ロジカルであり、感覚的である。冷静であり、情熱的である。それぞれの良い部分をバランスよく持っているように感じます。それが厚みや深みを生み出します。とても魅力的な人。
そんな彼のベースは、周囲への感謝にあります。周りの人から見ても、そこに愛があると信じられるから、染谷さんとの気兼ねない交流が生まれるのではないかと思います。
染谷さんを形づくってきたこと、仲間やランニングについて、そしてこれからのこと、話してくれました。
内から湧き上がる感謝の気持ち。
染谷さんは、ある意味で大家族の中で育ちました。農家をしていた祖父母を中心に、親の姉妹の家族が近くに住んで、学校が終われば、同世代のいとこも一緒に家に帰ってきて、よく食事も一緒にとっていて、たくさんの兄弟がいるようでした。また色々な大人に囲まれて育ってきたことから、ある種大人びていて、どこか冷めている考え方を持つようになったとのことです。思春期の頃には自分だけクラスメートとは違った気持ちを持っていると感じるくらいに。
しかし、高校卒業時のソフトテニス部の引退のタイミングに、本当の意味での感謝の意味を知ります。染谷さんは6歳から始めたソフトテニスで全日本ジュニアチャンピオンになっています。その引退のタイミング、これまでの活動を振り返ったときに、自分が成し遂げてきたことが周りのおかげで成り立っていることにはっきりと気づきました。「そこへの感謝の気持ちが心から沸き上がった。」と当時を思い出します。
そこから、意識した感謝ではない、感情としての感謝、自然な気持ちとしての感謝を発せられることにつながっていきました。
自分の人生におけるトレイルランニングとチームと。
2012年から始めたトレイルランニングを一生続けていく、と染谷さんは言います。「トレイルランニングはライフワークとなっている、生きていく上で必要なものになっているという感覚があります。」「山の中、自然の中に身をおく、トレイルランニングにはメディテーションに近い、自分の心を整える作用がある。」
ランニングは言語であり、トレイルランナーは人種であるという考え方にも同意するとのこと。トレイルランニングを続けてきて、チャレンジ精神を持っていたり、子供の頃の気持ちをどこかに持っていたり、自然へのリスペクトを持っていたり、同じような考え方を持つ人がトレイルランナーには多くいる気がしていて、それが人種であるというような表現にもつながっていっていると考えています。
染谷さんは、そんな人種の中でも、特に波長の合う仲間と共にチキンハートランニングチームというランニングチームに所属しています。時に励ましあい、時に競い合い、助け合う、仲間としての感覚を強く持てるチームに所属していることに喜びを感じているとのことです。
チームの存在はとても重要であると話します。「仲間、ということの大切さを最近特に感じます。」「本当に何か困っていることがあったら全力で助けるし、助けてもらえる、そんな仲間がチキンハートで作れているという感覚があります。」
未来へつながる視点、ビジョン。
現在染谷さんは、〈社会的文脈から世の中に新しい価値観と希望を生み出す“ビジョニング”という手法を使って多様性が爆発する社会を作ろうとしている〉NEWPEACEという会社に参画しています。メンバーそれぞれの価値を認めながら、良い部分をさらに伸ばしていく、そこから社会に新たな価値を示していく、そのビジョンが明確だからこそ、未来を信じ、そこに仲間が集う。そんな組織だと染谷さんは説明してくれました。染谷さんからも同様に新しい価値を示すことへの強いモチベーション、自分たちがひっぱるという気概を感じます。大きな視点を持って、希望を示す。とてもとても魅力的です。
染谷さんに今後のビジョンを伺うとこんな風に答えてくれました。
「自分に恥じない生き方をする、それが僕のビジョンです。“おかげさまで生きる”という言葉が自分の大切な言葉になっていて、それを深く心に刻み込むこと、しっかりと体現することが自分に恥じない生き方につながると思っています。」「今、自分がこの瞬間、ここに在って、こうして生きていけるのは、全て周りの人や物、事のおかげである、という感謝と尊敬の念を持って生きていきたいと思っています。」
改めて、染谷さんからは総合的なバランスの高さを感じます。頭の良さだけではない、思いの存在を感じさせるバランスの良さ。こういう人にリードしてもらう世界はきっと良いものになるのではと思いました。
やはりそのベースに感謝や愛があるからこそ。そんなリーダーとしてこれからも様々なシーンを牽引していってくれると確信しています。
Profile
染谷英輝さん
1985年、千葉県生まれ。明治大学卒業後、ソニー・ミュージックエンタテインメントへ入社。企画制作業務として、ソニー製品の宣伝業務を経験。グループ内外のエンタメ系企業を中心に広告業務全般やレコード会社での楽曲制作、アーティストプロモーション、マネジメント業務に従事。2018年、NEWPEACEへ参画。現在、「カルチャー&コミュニティ」という新部署にて、カルチャーの醸成とその浸透のための組織づくりを行っている。また会社に関わるメンバーの広がりをコミュニティと捉え、世の中をこうしたいという「ビジョン」を掲げる仲間にとって必要なプラットフォームとすべく、活性化を図っている。